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日曜日、娘がボストン大学サイパフォーマンスセンターにて、ニューイングランドフィルとサラサーテ「ツィゴイネルワイゼン」を共演させていただきました。

いよいよ本番、嬉しい付き添い。すっかりステージパパ。
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開場直前の舞台。わくわく。
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たくさんのお客様の前で演奏する度に、確実に成長していく11歳。

いつか大きくジャンプしたいなら、心と身体をしなやかに鍛える上で、これ以上に大切な時期はないと言える。
分数楽器(3/4)でオーケストラと共演するのも、これが最後になるかな。
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演奏を聴いていると、
「パパ、私はこれからもヴァイオリンを弾いていきたいよ。」という娘のメッセージが伝わってくるようだった。
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応援してくださった皆様、ありがとうございました。

次々に予想外の大きな出来事が起きた2017年も、残すところ僅か。
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(クリスマスツリーを買いに。今年は断然!いつもより大きめを選ぶ。御利益、ごりやく、、)

いや、苦しい日々もありました。担当ドクターには、治療の最後になって、
「貴方が受けた治療は、現在実用化されている様々な癌治療の中で最も辛いものの一つです。良く頑張りましたね。」と忘れ得ぬ言葉を言われ、絶句・・・(苦笑)
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何はともあれ、逆境をもろともせず、娘が元気に前向きに歩んでいることこそが2017年、ワカオ家達成感の源。

娘のTED出演についても、たくさんのメールを頂きました。
この場を借りて心よりお礼申し上げます。

# by wkboston | 2017-12-13 03:58 | ワカオ家ヴァイオリン奮闘記


ワカオ家ひとり娘、圭良のTED スピーチと演奏をご覧下さった読者の皆様には、改めて感謝します。

とにもかくにも11歳の子供に、世界に名を馳せる研究者や政治家、ビジネスマンなどと同じステージに立つ貴重な体験をさせてくれたボストンコミュニティの懐の広さに、じんときてます。

この市民レベルの社会の在り方が、アメリカの魅力であり強みである事は間違いない。

さて、ここでまた一つ、娘のコンサートの告知をさせてください。
12月10日(日)午後3時から、ボストン大学サイ・パフォーマンスセンターホールにて、ニューイングランドフィルハーモニーオーケストラとサラサーテ「ツィゴイネルワイゼン」を共演させて頂きます。
忙しい師走の日曜日ではありますが、お近くの皆様、宜しければ是非お越しください。
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オーケストラとリハーサル中。

# by wkboston | 2017-12-08 05:07 | ワカオ家ヴァイオリン奮闘記

若尾圭良 TEDxBeaconStreet スピーチ 日本語訳_f0128982_14455375.png
娘の若尾圭良 TED スピーチと演奏のYouTube ビデオを見た方から、メールや妻のFacebookを通して感想をいただいてます。
暖かいメッセージの数々、ありがとうございます。(涙)

英語のスピーチ部分に関して「せめて大筋だけでも、日本語にして欲しい。」と、幾つかご意見頂きました。

以下、ちょっと長いですが、日本語訳(意訳)を作ってみました。
最終的に省いた表現や、日本語らしくするために加えた文章も多少あります。

夏の終わり頃、娘が一生懸命、原稿を作っていた姿を、思い出しました。

是非、英語スピーチと合わせてご覧ください。

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ある夜、ベッドに入る支度をしていると、両親が別の部屋の扉を閉め、こそこそと話をしていました。

何かを隠している気配を感じ、きっと私のことを話しているのだろう、私といえばヴァイオリン、音楽のレッスンを止めようなどという悲しい会話をしているのではと想いを巡らせました。何も知らされていなかった私は、信頼されず見放され、一人取り残された気分でした。

しばらく経って、お母さんが部屋に入って来た時、すぐに何か悪い知らせがあるのだと分かりました。
お母さんはベッドの端に座り、深呼吸をして言いました。「お父さんが扁桃腺(中咽頭)がんになってしまったの。」

私は驚き、そして大きな恐怖を感じました。
「お父さん、死んじゃうの・・?」

お父さんは、ボストン交響楽団準首席、ボストンポップス首席オーボエ奏者、若尾圭介です。
扁桃腺のがんと聞き、お父さんはもう二度とオーボエを吹けなくなるのではと、とても心配でした。

両親は私に、病気のことをしばらく隠していました。私を守ろうとした事は理解出来ますが、もっと早く、すぐに打ち明けて欲しかったと思います。
真実を聞き、私が考えたのは、「お父さんの力になりたい。」ということだけでした。

では実際に、誰かの力になるには、どうすれば良いのでしょうか?
一般的な方法とは違うかもしれませんが、私はお父さんと接する時、出来るだけ「いつもと同じ私」でいることを心掛けました。

病気を知る人に、「治療はどう?痛かった?」などと聞かれると、お父さんは辛さや恐怖を思い出すのか、少し表情が曇るのが分かりました。だから、私は自分自身に約束したのです。「お父さんが元気になるまで、絶対に病気の話はしない。別の話をしよう。」と。

お父さんは音楽が好きで、特に私のヴァイオリンを聴くのが大好きと言っていたことを思い出しました。
お父さんの為にヴァイオリンを練習し、演奏しました。
音楽が聴こえてくるとお父さんの表情は和らぎ、心地よい気分になっているのが分かりました。音楽で心が癒される、そう言っていました。

お父さんが治療を受けたボストンのダナ・ハーバーがん研究所病院を初めて訪れた時は、不安な気持ちでいっぱいでした。病室で、たくさんの管に繋がれて横たわるお父さんの姿を見るのが怖かったのです。
でも実際に行ってみて、担当のドクターや看護士、ソーシャルワーカーなど多くの人々が治療にあたる様子を見ていると、暗い気持ちが溶けていき、お父さんは必ず元気になると確信しました。

お父さんの病気は、比較的珍しいがんで治療も難しいものでした。体調が悪く、苦しそうな日もありました。でも、余計な心配を掛けたくなくて、私自身の不安や混乱した思いは、心の奥底に仕舞い込みました。
でもいつしか、しまい込んだ思いを音楽を通して解放することを覚えました。
この経験や私の感情、苦しさや困惑までをも音楽に込めることで、これまでにない程パワフルな物語を語ることが出来るのです。

人生は、多様な物語の連続です。現在お父さんは100%癌が消えて回復し、幸運にも私の物語はハッピーエンディングで終わることが出来ました。

1カ月程前に、お父さんのオーボエと私のヴァイオリンで二重奏曲を演奏しました。私の側にお父さんがいて、一緒に演奏することが出来たのです。
やっと在るべき場所に帰ってこられたと感じました。

私は、自分に合った手段、つまり出来るだけ「いつもと同じ私」でいて、音楽を共有することで、病気になったお父さんの力になりました。
たとえ私より年下の子供達であっても、自分の得意分野を見つけて上手に活用することで、他の人の人生に刺激を与えたり、役に立ったりすることが出来るのだと、皆さんに伝えたいです。

この後、サラサーテ作曲「チゴイネルワイゼン」を演奏します。この曲を選んだのは、まるでこの度の経験で感じた私の気持ちを表現しているような音楽だからです。前半は重厚で物悲しく、後半は気分が高揚するアップテンポなメロディーになり、まさに今の気分です。

皆さんにもこの曲が私と同じように、意味のある音楽と感じてもらえますように、どうぞお聴きください。


# by wkboston | 2017-12-02 13:35 | ワカオ家ヴァイオリン奮闘記

私がBSOコンサートツアーで日本にいる間に、ワカオ家、11歳の一人娘がTEDxBeaconStreetにてスピーチとヴァイオリン演奏を披露しました。
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娘の出演時間はボストンの午後、日本は真夜中。
連日のコンサートで眠かったものの、のそのそ起き出し、ホテルの部屋で一人、ライブストリーミングで見ていました。
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私は病気以降、より繊細になってしまい、画面を前に、それはもう滂沱の涙、止められませんでした。(苦笑)
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娘は本番前、メイクをしてもらったり、インタビューに答えたり、写真を撮ってもらったりが、何より楽しくて堪らなかったそう。
緊張感よりも「早く出番がこないかなー!」と何度も呟いていたとか。
そのワクワク、きっと次へのおおきなステップになるね。
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まだまだこれからの11歳ですが、宜しければ是非、以下のリンクよりTEDスピーチと演奏をご覧ください。

# by wkboston | 2017-12-01 02:47 | ワカオ家ヴァイオリン奮闘記

病気を公表したので、ブログをしばらく書かないでいると、妙な心配をされる可能性もあるなと、常に気になってます。(苦笑)

ボストン交響楽団は、11月1日から名古屋、大阪、川崎、東京サントリーホール3回、計6公演の日本でのコンサートツアーがありました。
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2年前は中国、韓国公演も絡めてのツアーでしたが、今回は日本のみ、移動時間も少なくフリータイムも満喫。

・・のはずが、BSOからの依頼でプライベートコンサートを企画出演したり、相変わらずバタバタと忙しく過ごしました。
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せっかくの日本、ホンモノの寿司を食べたいってことで、BSOメンバーを連れて、代々木上原「すし勘」。
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先頃、文化功労者に選ばれたコシノ ジュンコさんのサロンで催されたショーにて、少しばかりオーボエ演奏。
ジュンコさんの加速するごとくのエネルギーには、感服するばかり。斯くありたし。
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日本から帰るとすぐに、アメリカは感謝祭の休日。
今年は我が家で七面鳥を焼き、MITメディアラボ石井裕さん、ジャーナリスト菅谷明子さんご一家、ニューイングランド音楽院で学ぶ河合良映くん、妻の両親、ワカオ家とで和やかに過ごしました。「如何に人生の高みを目指すか」なんて話題が続々飛び出した、エキサイティングな感謝祭ディナーでした。
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というわけで、今年春から夏にかけての悪夢の日々は、なるべく記憶の彼方に押しやって、日常に感謝しながらも、前進あるのみ。
Life goes on...

# by wkboston | 2017-12-01 00:47 | 旅の記憶