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タングルウッドの思い出

今日は一日中、雨のタングルウッド。肌寒いくらいであった。

以前にも少し書いたが、1979年、17歳の時に初めて海外に来て、過ごした場所がここ、タングルウッドである。

アメリカ五大オーケストラのオーボエ奏者になりたい、という夢を持ってタングルウッド・ヤングアーティスト・インステテュートに勉強に来たのだった。
今年の夏も、BSOのタングルウッド音楽祭が開催される夏の2ヶ月間に合わせて、同じ敷地内で、方々から集まってきた若い音楽家の卵たちが学んでいる姿を見かける。
かれこれ28年前か・・・。タングルウッドシーズンの初めにはいつも、昔をふと思い出す。

血気盛んな17歳、期待に胸をいっぱいにして降り立ったアメリカだったが――
現実は厳しかった

オーボエはそこそこ上手く吹けていたような気がするが、そんなことより、英語が聞きとれなくて、先生やオーケストラの指揮者の言っている意味がわからない、次の授業はどの教室に、何を持って行くべきなのかさえ曖昧・・・
まわりの先生やクラスメイト達は親身に助けてくれるような雰囲気はなく・・・
いつも一人ぼっちで、でもこの状況をどう切り抜けたら良いのか・・・と焦りばかりが募り、強烈な孤独感を初めて味わった。極度のホームシックである。
それまで腕白で通してきた自分がホームシックになったという事実もまた、非常に気分を落ち込ませた。
食事も喉を通らなくなり、ガリガリに痩せて、2ヶ月間の滞在期間を終え、日本へ帰国するためにタングルウッドのバス停でバスを待っているときには、
『もう2度とアメリカには来るまい。こりごり』と強く思っていた。

それが、今ではすっかりアメリカに居ついて、20数年。人生、わからないものである。

あの時は心底辛かった。ーーが、それまで両親の元で守られ、細々と世話を焼いてもらっていたところから、自分の意志とはいえいきなり言葉も文化も異なる誰も知らないところへ飛び込んでいったのだから、なんらかの摩擦がおきて当然だったのである。
一人前の、真の音楽家になる為に、孤独に耐える力を養うことがとても大切なことだということも、今ならよくわかる。



今の寂しさ、孤独が一生続くわけではない。目指す音楽の為に、頑張っていこう。
by wkboston | 2007-07-05 11:21 | BSO入団までのこと