2007年 01月 07日
ロレイン・ハント・リーバーソンのラストCD

メゾソプラノのマリア・カラスと称されたこともある、メゾソプラノ歌手、ロレイン・ハント・リーバーソンのCDが、数日前オーケストラのメンバー全員に配られた。
昨年7月、がんで惜しまれつつ亡くなったロレイン・ハントのラストCDで、我が音楽監督、ジェームス・レバイン指揮、ボストン交響楽団のシンフォニーホールでのライブ録音をCD化したものである。ご遺族、いや、夫であるピーター・リーバーソンからの計らいだろう。
タイトルは『Neruda Songs』。チリの詩人、Pablo Nerudaの詩に、ロレイン・ハントの夫、作曲家のピーター・リーバーソンが曲を付けた、5つの美しい愛の詩である。
最後の曲、『My love, if I die and you don't-』 で ロレイン・ハントは歌う。
....it has no death: it is like a long river,
only changing lands, and changing lips.
そして、全ての覚悟と悟りを得たような、慈愛に満ちた響きで、Amor, amor, amor・・・と、呼掛ける。CDを聞きながら、CDジャケットにある、ロレイン自身と、ピーターのコメントを何度も読んでしまった。
偉大な才能と、これ以上は考えられないほどの美しい音楽を目の前で聞かせてくれた、愛する妻を失った喪失感。
ロレインとピーターの愛情の深さには、心を動かさざるを得ない。
このCDの録音は、2005年の11月なのだが、確か、ロレイン・ハントは同じ曲を持って、昨年の3月にもBSOと共演したことを覚えている。あの時は、BSOのUSツアー公演であったが、もし、彼女の容態が悪化したら、シューベルトの8番『未完成』を代わりに演奏する、ということにもなっていた。しかし、がんに侵されていたとは思えないほどの、素晴らしいパフォーマンスを披露し、状況を知るオケのメンバーも皆、心を込めて演奏したのだ。
ちなみに、このCD、とっても話題になっていて、アマゾンなどでトップセラーらしいです。

