2014年 03月 07日
第5回日本アメリカ交流コンサート モーリス・ブールグ オーボエリサイタル終了
3月になっても雪の残る日曜の午後、お越し下さった皆様には心より感謝致します。
御年75歳、フルプログラムのオーボエリサイタル。
年齢とは無関係にこれだけ吹けるオーボエ奏者は世界でも数える程だろうと、唸ったお客様は多かったでしょう。
オーボエ二重奏も演奏しました。
とはいっても、ブールグ氏の一人舞台。最初から最後まで貫いた集中力を、目の前で見られた事に感謝の想い。
『人生のお楽しみは、まだまだこれからなのだ』って。
ほとんど広告宣伝にお金をかけずも、集まって下さった100名を越すお客様達のスタンディングオベーション。
コンサートの後は、ささやかなレセプション。
オーボエ界では有名なブールグ氏に、学生がリードやオーボエケースにサインをもらっていた。
いつも聴きに来て下さる方あってのコンサート開催。ジャーナリスト菅谷明子さん、在ボストンフランス総領事フィエスキご夫妻、私、ブールグ氏、妻で記念撮影。
翌日、ほぼ1日中、ブールグ氏の特別オーボエマスタークラス。
世界のどこにいってもこれ以上のレッスンは、まず無いだろうという貴重なアドヴァイス、メッセージが随所に込められていた。ボストンに居ながら受講出来た学生は幸運を噛み締めて、今後に生かして下さい。
ブールグ氏の5日間のボストン滞在中の宿は、ワカオ家。
無論予算の関係もあるが、周囲にホームステイをオファーしてくれる豪邸もあったとはいえ、1秒でも長く一緒にいることで私自身学ぶことがあるはず、と敢て我が家に泊まってもらったのだ。
私もよく喋るし友人のオーボエ奏者は皆、九官鳥のようだけど、やはりブールグ氏もお喋り好き、話題は様々なことに広がって楽しかった。
特に妻は、疲れた私が寝た後もブールグ氏と話が続き、彼はこんなことを言ったそうだ。
『私はとても後悔しているよ。もっと前に、15年位前にケイスケと出会いたかったなって。そうしたら、もっとたくさんのことを教えられたし、私も彼からいろんな刺激を受けただろうと思うんだよ。』
後からこの言葉を聞いて、内心、泣いた。
ブールグ氏は火曜日の夜、『今回のボストン滞在は本当に楽しかった。コンサートにもたくさんのお客様が来てくれて、教会の音響も素晴しく、自分も良い力が出せたと思う。』とご満悦で、パリに帰って行った。
たった数日間だったが、心に残ったものが大き過ぎて、彼が去りガランとした部屋を見て、しんみり寂しくなったのだ。
でも50歳を越えて、また素晴しい生涯のメンターに出会えた。
これからブールグ氏とどんな関係が築いていけるのか、心底楽しみなんである。