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指揮でもやってみる?

数日前の夜、ヴァイオリニストのBさんご夫妻宅でのお食事会で、出た話題。
ワカオ家以外のゲストは、最近BSOに入った、若いヴァイオリニスト二人(両君とも名門カーティス音楽院を卒業して数年で、BSOに入ってきた、イワユル天才である)と、他にBさんの友人たち。

『この前、アシスタントコンダクターのオーデションがあったけど・・・将来、オレも挑戦してみようかな、と思ったんだ。』

『あ、それ、ボクも同じこと考えてましたよ。なんだか、案山子みたいな動きに見えちゃって・・・あれなら、ボクも出来るよな、と思った。まだ、経験浅いんだから、マーラーなんて振らないで、モーツァルトか何かにすれば良いのに、と思いましたよー。』

うは。厳しい。弱冠20代半ばの新米楽団員にこう言われちゃ、指揮者も立場無いな。

アシスタントコンダクターとはいえ、オーデションに受かれば、実際にBSOを振り、BSOの公演にも出演することになるわけだから、既に相当なキャリアを持った人たちである。
が、しかし・・・連日、世界の名指揮者たちの指揮の下で、音楽を造っていく作業を行っている我々としては、格好はついていても、音楽的な本質に迫る部分で弱さが見えたりする指揮に対しては、どうしても、ひとこと言いたくなってしまうのである。

アシスタントコンダクターのオーディションを受けた若き指揮者達のもとで、まじめな顔して演奏していた、スマートで、クイックで、シニカルなBSOのメンバー達が皆、何を考えていたかが良ーくわかった。

指揮者って、大変な仕事である。
だからこそ、魅力的なのである、ともいえるけど。
指揮でもやってみる?_f0128982_14203548.jpg

   (ボストン・シンフォニーホール・三階正面天井席から見たステージ)
by wkboston | 2007-02-19 14:07 | ボストン生活