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第5回日本アメリカ交流コンサート モーリス・ブールグ オーボエリサイタル終了

日曜日、『第5回 日本アメリカ交流コンサート モーリス・ブールグ オーボエリサイタル』は、盛況に終了しました。
3月になっても雪の残る日曜の午後、お越し下さった皆様には心より感謝致します。
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御年75歳、フルプログラムのオーボエリサイタル。
年齢とは無関係にこれだけ吹けるオーボエ奏者は世界でも数える程だろうと、唸ったお客様は多かったでしょう。
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自身で確立した呼吸法から来る驚異的なスタミナもさることながら、醸し出すスタイルには気品と確固とした風格があり、一つ一つの音には繊細で自由自在なニュアンスがあり、聴き入った。

オーボエ二重奏も演奏しました。
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とはいっても、ブールグ氏の一人舞台。最初から最後まで貫いた集中力を、目の前で見られた事に感謝の想い。
『人生のお楽しみは、まだまだこれからなのだ』って。

ほとんど広告宣伝にお金をかけずも、集まって下さった100名を越すお客様達のスタンディングオベーション。
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コンサートの後は、ささやかなレセプション。
オーボエ界では有名なブールグ氏に、学生がリードやオーボエケースにサインをもらっていた。
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いつも聴きに来て下さる方あってのコンサート開催。ジャーナリスト菅谷明子さん、在ボストンフランス総領事フィエスキご夫妻、私、ブールグ氏、妻で記念撮影。
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翌日、ほぼ1日中、ブールグ氏の特別オーボエマスタークラス。
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世界のどこにいってもこれ以上のレッスンは、まず無いだろうという貴重なアドヴァイス、メッセージが随所に込められていた。ボストンに居ながら受講出来た学生は幸運を噛み締めて、今後に生かして下さい。
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ブールグ氏の5日間のボストン滞在中の宿は、ワカオ家。
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無論予算の関係もあるが、周囲にホームステイをオファーしてくれる豪邸もあったとはいえ、1秒でも長く一緒にいることで私自身学ぶことがあるはず、と敢て我が家に泊まってもらったのだ。
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私もよく喋るし友人のオーボエ奏者は皆、九官鳥のようだけど、やはりブールグ氏もお喋り好き、話題は様々なことに広がって楽しかった。
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特に妻は、疲れた私が寝た後もブールグ氏と話が続き、彼はこんなことを言ったそうだ。

『私はとても後悔しているよ。もっと前に、15年位前にケイスケと出会いたかったなって。そうしたら、もっとたくさんのことを教えられたし、私も彼からいろんな刺激を受けただろうと思うんだよ。』

後からこの言葉を聞いて、内心、泣いた。

ブールグ氏は火曜日の夜、『今回のボストン滞在は本当に楽しかった。コンサートにもたくさんのお客様が来てくれて、教会の音響も素晴しく、自分も良い力が出せたと思う。』とご満悦で、パリに帰って行った。

たった数日間だったが、心に残ったものが大き過ぎて、彼が去りガランとした部屋を見て、しんみり寂しくなったのだ。

でも50歳を越えて、また素晴しい生涯のメンターに出会えた。
これからブールグ氏とどんな関係が築いていけるのか、心底楽しみなんである。
by wkboston | 2014-03-07 01:30 | 日本・アメリカ交流コンサート