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急がば回れ

ボストン響のヴァイオリン奏者に
「ヴァイオリンを弾くのにまず大切なことは何?」
と突如質問を投げ掛けると、ほぼ皆同じ答えを返してくる。
「Setting」(正しい弾き方、姿勢)、と。

まぁ、それ以上の高度なことを聞きたいんではなく、娘のヴァイオリンレッスンのヒントになる答えが欲しいという思惑での質問ではあるけれども。
早いうちにヴァイオリンの構え方、指、弓の持ち方、動かし方、姿勢ーといった基本を正しく身に付けることは、非常に重要なことである。
そしてその核は、《脱力》。
楽器を弾くというのは、人の自然な動きとは相反する運動を要するもの。
子どもや初心者は頑張ろうとすればするほど、がちがちに力を入れてヴァイオリンを構え、弓を握りしめるのが大方の傾向である。
この《がちがち》を上手に緩めて正しい方向に導いてあげなければ、子供時代の易しい曲は何とか弾けているように見えても、その後の本格的な難曲に取組むのはお手上げとなってしまうのだ。
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4歳になったばかりの娘がヴァイオリンを始めて間も無く4ヶ月。
毎日、「キコキコキーコ」とE線をいろんなリズムで弾いているのが聞こえてくる。
弓の構え方は随分良くなったが、まだ時々小指が伸びてしまうから「小指を丸くね。」「小指!」と注意されると
「も〜、ちょっとぉ。ガンバッテヨ。」と、自分の小指に向って話しかける娘である。(笑)

ここ1ヶ月ほどのポイントは、弓の動かし方とヴァイオリンの運指の初歩。
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弓を持つ腕を肘から動かすというのが難しいようで、時折「う〜〜」と苛立っている。
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とにかく「脱力」である。
これは結構深いテーマで、そう簡単に身に付くものではないのだから、何も急ぐ必要はないのだ。
ガンバッテヨ!

話は変わりますが。
先日、ニューイングランド音楽院ジョーダンホールでの「ロジャー・タッピング ヴィオラリサイタル」にゲスト出演した際のライブ録音、レフラー「ヴィオラとオーボエ、ピアノのための2つのラプソディ」が、今週金曜日、99.5 All Classical (WCRB)にてラジオ、インターネット放送されます。
午後1時(ボストン時間)からの“In Performance”という番組だそうです。
お昼休みの午後、ぜひ聞いてみて下さい!
by wkboston | 2010-02-11 18:38 | ワカオ家ヴァイオリン奮闘記